四万温泉最奥の秘湯宿 中生館

2026年 9月 訪問

今回の旅の宿は群馬県、四万温泉にある「中生館」さんです。

秋雨が降る中、草津温泉方面へ向かう街道を中之条町で右へ折れて進みます。四万川に沿ってさらに上流方面へ。

秋雨に煙る四万温泉街。風情があります。

四万温泉の奥、四万川ダムへ向かう道から外れ、その四万川へ合流する日向見川沿いに中生館はあります。以前からちょっと気になっていた宿で、昨年、「御夢想の湯」に伺った際にはどんな感じの宿か確認して、いつかは宿泊を!と思っていたのです。今回時間を作ってようやくお邪魔できました。

四万温泉発祥の湯。御夢想の湯。
日向見薬師堂。国重要文化財。
苔むしたかやぶき屋根のお堂は風情があります。

ここ四万温泉は川沿いに宿が立ち並び、新湯川と四万川の合流するあたりには、四万グランドホテル、四万たむら、積善館などの有名な宿が温泉街を作っています。そのもっと上流、日向見薬師堂や御夢想の湯の近辺には、ちいさな宿がひっそりと建っているのです。その一番奥に中生館はあります。

中生館につきました。

秋雨のそぼ降る中、玄関に掛かる紫色の暖簾をくぐってお邪魔してみましょう。中は程よくリフォームされた空間が広がっています。今回は「庭の部屋」と呼ばれる、川沿いとは向きが異なる薬師堂が望める2階の部屋を予約しました。

玄関にはいると、リフォームされた綺麗な空間。
二階へ。
2階の「庭の部屋」。シングル利用のシンプルな部屋です。

こちらの宿は基本シングル利用がメインで、ちょっと狭いけど2人ぐらいまでなら大丈夫な部屋もあります。それからカプセルホテルの様な割り切った部屋も低料金で利用できるのです。

チェックインの後、ご主人にお風呂や共有スペースなどの館内の案内をしていただきます。部屋へ落ち着いたら早速お風呂に入りに行きたいところですが、こちらの様な湯治宿では先ずはお布団を用意してから。ゆっくりと布団の支度をしてからにします。

湯治宿です。布団は自分で敷きます。

宿の中を見て回りましょう。先ずはお目当てのお風呂場から。湯殿は4か所あるようです。初めは「槇の湯」。内湯で基本女性専用ですが19時~21時は男性専用となります。このお風呂場の湯舟はこの宿では唯一木製で底はタイル張り。その他の湯舟は岩風呂となっています。

「槇の湯」。女性専用で19時~21時男湯に入れ替え。

「薬師の湯」。内湯の岩風呂。混浴です。19時~21時は女性専用の時間です。

「薬師の湯」。混浴です。

「月見の湯」。露天の岩風呂。混浴です。19時~21時は女性専用の時間です。

「月見の湯」。混浴です。

「かじかの湯」。混浴の野天風呂です。かじかの湯は中生館の目玉と言えるお風呂で、5月中旬から10月中旬までの季節限定の野天湯です。川沿いの部屋や御夢想の湯脇の駐車場からはよく見えるので、バスタオル・水着等可となっています。

「かじかの湯」。とっても秘湯感満載。

槇の湯以外のこの3つのお風呂は基本混浴で、19時~21時は女性専用の時間となります。

初めはやはり「かじかの湯」に入ってみましょう。赤い橋で川向うへ渡っていく野趣あふれたお風呂。大きな岩に張り付くように湯舟が作られています。小さな脱衣所があり、下流の小さい湯船のほうが熱め、岩に寄り添っている湯舟は温いお湯です。早速、かけ湯をたっぷりかけて入りましょう。

ああ、いいお湯ですね。無色澄明で微かに塩味・えぐみ。ほんの僅かな硫化水素臭が香ります。そして硫酸塩泉独特の香り。いいですねえ。

泉質はカルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉(アルカリ性低張性高温泉)。源泉が掛け流されれいます。

岩を初代主人が自身で積んで作ったといわれている湯舟は、お湯に入った際の座り心地がいいとは言えませんが野趣満点です。あまり深くないので寝そべる様にしてお湯に浸かります。目を閉じると日向美川の川音と時々木々の間から雨粒がポチャリと滴り落ちる音が聞こえるだけ。深山幽谷に紛れ込んだ気持ちになります。

宿の中へ戻ってしばし覗いてみましょう。共有スペースがあってゆっくり座れる椅子や、電源が用意されたPC作業ができるようなカウンターがあり、お茶やコーヒーを自由にいただけます。電子レンジ・トースターもあります。

共有スペースの様子。
左のドアはカプセルホテルの様なシングルの部屋。その先が共有スペース。

廊下の一角に飲み物が入っている冷蔵庫があり、自由にとって飲めます。カップ麺やお菓子などもあり、チェックアウトの際に申告するスタイルです。又、部屋には冷蔵庫がないので空の冷蔵庫がありお客さんの飲み物を冷やせます。

右の冷蔵庫の飲み物は申告制でいただきます。左は宿泊客用冷蔵庫。


ゆっくりとお風呂をいただき、風呂上りには廊下にある冷蔵庫から「四万温泉エール」をとってきていただきました。なかなかいい風味のペールエールのビールです。

宿の説明が長くなりましたが、こじんまりとした宿なので一人旅には最高ですね。特別眺望がいいとかでは無く、日向見薬師堂や御夢想の湯をぼんやり眺めながらゆっくりして、ごろり横になったりして過ごす時間は癒されます。

夕食の「里山田舎懐石」。

布団に入ってまったりしているとすぐに夕食の時間が来ました。一般の客室は部屋食で、カプセルの部屋は共有スペースでいただくようです。

宿の予約をする際に中生館の予約サイトを利用したのですが、ちょっと面白いシステムで、初めに部屋を選んで、夕食、朝食、チェックイン・アウトの時間を選んだりと積み上げて金額が決まるシステムなのです。

今回夕食は里山田舎懐石、朝食は和朝食を選択しました。群馬の地の物を使っているようで特別手の込んだ料理ではないですが十分なものです。次回はぐんま御膳にしてみましょう。朝食はトーストも選べるようです。

朝食「和朝食」。

ゆっくりお湯を楽しみごろりと横になって過ごす1泊2日。時間はあっという間に過ぎてしまいました。次回は数泊して湯治を満喫したいものですね。

宿を出る時も秋雨が静かに降っていました。次回はお天気がいい日に伺いたいものです。

訪問日 : 2026年 9月

スタイル : 1泊2日 1人で訪問

経費 : 13500円/人 消費税込み 入湯税別

泉質 : カルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉(アルカリ性低張性高温泉)

所在 : 〒377-0601 群馬県吾妻郡中之条町大字四万乙4374 0279-64-2336

特徴・湯使い : シングル利用が中心の湯治宿です。野趣あふれる岩風呂が魅力的。お湯は無色澄明で微かな塩味、えぐみ。仄かに香る硫酸塩泉独特の香りと硫化水素臭。源泉が掛け流されれいます。