川治温泉 登隆館
川治温泉 登隆館 宿泊記
2022年 3月 訪問
川治温泉、登隆館さんに宿泊しました。
最近の川治温泉は、ちょっと寂しい感じがするのですが、今回お邪魔した登隆館は、その中でも寂れた感が強い宿と口コミなどで言われており、川の対岸から望むとちょっとヤバそうな感じがします。まあ、それも鄙びた宿が好きな私などには魅力的ですらありますが。
当日は薄っすらと雪の降る中、駐車場へ車を止めると、宿の方が早速出迎えてくれました。いろいろ書かれていますが、温泉宿は見た目ではないと私は思っています。
チェックインの後、部屋への案内の際に、私は背が高いのですぐに大きな浴衣の用意など、気が利いています。
部屋にはすでに布団が敷かれ、お茶セット、冷たいお水などもあり、棚にはテーブルタップがありました。現代人はいろいろ充電したいもので、とても助かります。
面白いものは、電気蚊取のほかに、カメムシ捕獲用のガムテープが用意されていて、採り方の説明書きもありとても気が利いています。そうそう、空気清浄機もあって花粉症にはポイントが高いですね。
早速温泉に入りましょう。
こちらの宿は、往時をしのばせるお風呂場がとても魅力です。最盛期には大勢のお客さんで一杯であったのでしょうが、時がたち、今日は私一人で独泉です。
お湯がドバドバと投入されて、見事に溢れ出ています。説明によると、川治温泉は源泉が浅く、湯量はとても豊富ですが泉温が低いとの事。夏場はそのままでもとても良いのですが、冬の時期はさすがに加温しているようです。
温泉分析表を拝見すると、単純温泉(低張性・弱アルカリ性・温泉)とのことです。ナトリウムイオン、塩化物イオンが多いようです。長湯ができる温泉ですね。
若いころは草津温泉などの強くてインパクトが有る温泉が好みだったのですが、還暦を過ぎると肌が弱くなったのでしょうか、ちょっと刺激が強すぎる感じがして、こちらの様な単純温泉が何となくよくなってきたものです。
風呂を上がるとすぐに夕飯の時間が来ました。
この宿は部屋食なので、仲居さんが支度をしてくれます。その際、今日は雪交じりで寒いので、ファンヒーターを用意してくれました。とても助かります。
夕飯はお膳で用意され、食べた後はドアの外へ出す湯治宿などのシステムです。私はせっかくなので、テーブルへ並べてゆっくりと頂きました。特別のご馳走ではありませんが、私には十分です。
夜の間、男湯と女湯が入れ替わります。面白いのは、入口の電気のサインが入れ替わるのでそれとわかります。当時としては最新のテクノロジーだったのでしょうね。
女湯の方が小さいのが昔の宿ですね、それだけ当時は団体の男性客が多かったのでしょうか?。
お風呂場のタイルなどはモザイクタイルが多く、なかなかタイルフェッチにはたまりません。現在はこのょうなデザインのモザイクタイルはもう生産していないのです。
階段壁の塗装のはげ具合は芸術家の作品の様です。又、階段手すりの下の研ぎ出しの加工などは、職人の技が光ります。当時は相当手間をかけたのでしょう。
翌朝。風呂に入りゆっくりし、朝風呂を浴びてからの朝食は、湯豆腐にお粥もついて、これまたしっかりしたものです。
今回宿泊した登隆館さんは、純粋に温泉を楽しむことを目的とし、多くを宿に求めない方のみの利用がよいでしょう。
チェックアウトの後、男鹿川の遊歩道を散策しました。ぱっと見は営業をしているようには見えない外観です。しかし他の大きなホテルでは得られない良い一夜を満喫しました。
清潔で上質なサービスを希望される方は、他に奇麗な宿がありますので、くれぐれも興味本位で訪れることは控えた方がよいかと思います。
旅の記録
訪問日 : 2022年 3月
スタイル : 1泊2日 夕朝2食付き
経費 : 9000円/人 消費税・入湯税別 1人で訪問
泉質 : 単純温泉(低張性 弱アルカリ性 温泉)
湯使い : 加温かけ流し(深夜は加温されていないので源泉かけ流しとなる)