小野川温泉 二階堂旅館
小野川温泉 二階堂旅館 宿泊記
2024年 12月 訪問
雪の降り積もる年の瀬12月。せわしない日々の僅かな隙間を見つけて、米沢八湯の一つ。小野川温泉の「二階堂旅館」へお世話になりました。今回はプチ湯治という事で2泊です。
小野川温泉は開湯1200年。その歴史は、小野小町が旅の途中で病を癒したという話に始まり、伊達政宗が落馬でおった傷を湯治した記録もあるそうな。
以前にもっと山の奥に有るやはり米沢八湯のひとつ、新高湯温泉へ宿泊した帰りに、共同湯「尼湯」へ立ち寄り湯で伺い、中々お湯が良いのでいつか宿泊したいと思っていたのです。
その際に駐車場から尼湯まで温泉街を散策すると、玄関をおおうようにツタの絡んだ、鄙びた感じの旅館が目にとまり、小野川温泉に宿泊するならここ「二階堂旅館」と決めました。予約サイトなどでは予約できず、電話のみという事もいいですね。
おとないを入れ、旅の荷物を玄関へ置き、車は隣にある旅館組合の駐車場へ停めます。宿へ戻るとすでに荷物は部屋へ運んでくれてありました。物静かなご主人に2階の部屋へ案内していただきます。
今回は1人旅なのですが、2階の奥。10畳の萬(よろづ)の間へ落ち着きました。
後でわかったのですが、この部屋は鉄筋コンクリート造りの浴室の上に有り、表の木造の間とは異なり窓なども2重の造りで冬には快適な部屋の様です。一つ注意することは、湯治宿などの古い建物によくあるのですが、部屋に鍵がかけられないことです。
さあ、部屋へ落ち着き一服したら、お目当ての温泉に入りましょう。浴室は内湯のみで、男女別の大きな浴室と、大小の貸切湯が2つあります。大浴場へ伺うと地元の方たちが結構立ち寄り湯でやってきてにぎわっています。
温泉分析書を拝見すると泉質は「含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉(低張性・中性・高温泉)」とのことです。塩味がして仄かに硫化水素臭がします。お湯の温度は浴感では43℃ほどでしょうか。ちょっと熱めでナトリウム分が多いので、湯上りはしっとりと肌にいい感じがします。
小野小町伝説が有るくらいなので、「美人の湯」の効果が期待できます。硫黄成分が含まれているので美白効果が期待でき、ナトリウム成分が多い塩類泉なので湯上りの保湿効果が高く、中性なので肌に優しい温泉なのです。
小野川温泉の源泉は80℃ほどの高温の源泉と36℃の源泉が有り、ブレンドして源泉かけ流しで供されます。仄かに塩味、硫化水素臭がするお湯はとてもいいお湯です。塩類泉なので冬のこの時期にはとても温まるお湯ですね。又、ラドン成分が含まれているようですが、放射能泉の定義には届いていないようです。
今回は2食付きのプチ湯治。夕食は部屋食で朝食は食堂でいただきます。又、湯治場なので自炊が出来るように共同キッチンが有るのもいいですね。私は自炊も好きなので次はぜひ自炊湯治してみたいです。
注目すべきは、こちらの宿は2食付きで7500円(冬季は別途暖房費1000円/泊)(消費税・入湯税別)で宿泊できるのです。しかも夕食の内容はかなりクオリティが高く、鯉の煮付・洗いに始まり、メンチカツから小さいすき焼きまでついています。ご飯も熱々炊き立てでとてもおいしく素晴らしいです。
朝食は食堂でいただきます。特別なものは無いのですが、小野川温泉名物の「ラジウム卵」と言う温泉玉子が出ます。ちなみにこのラジウム卵はお土産に買って帰りました。
年末のつかの間の休日を小野川温泉で過ごし、ゆっくりと2泊して温泉を堪能しました。二階堂旅館は外観からは想像もつかない奇麗なお風呂と美味しい食事。それを格安で宿泊できるとても素晴らしい宿です。米沢地方に新しい定宿がまた出来ました。
雪が降り積もっていた為、帰りは車を雪の中から掘り出すことになったのですが、雪国の大変さを垣間見た温泉旅行でした。次回の訪問を楽しみにして帰路につきます。
旅の記録
訪問日 : 2024年 12月
スタイル : 2泊3日 夕朝2食付き
経費 : 7500円/泊 冬季は暖房費1000円/泊 消費税・入湯税別 1人で訪問
泉質 : 含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉(低張性・中性・高温泉)
湯使い : 源泉かけ流し。
特徴 : 小野川温泉は80℃と36℃の2本の源泉の湯使いがとても良いです。