沓掛温泉 叶屋旅館
沓掛温泉 叶屋旅館 宿泊記
2024年 8月 訪問
長野県の沓掛温泉、「叶屋旅館」へ宿泊しました。
8月。長野県への温泉行脚の計画を立てます。酷暑の中での温泉行なので、当然「ぬるゆ」でしょう。
いろいろな温泉地をチェックして、あまり宿が無くて鄙びてい、お湯が良くてぬるゆの温泉を散々さがしていた中、ありました「沓掛温泉」。今は共同湯と数件の宿がひっそりとやっているような温泉場。小県郡青木村にその温泉はあるようです。
青木村へは上田からへ向かうのが一般的ですが、今回は麻績村から山道をこえます。鹿教湯温泉へつながる街道をちょっと入ったところに沓掛温泉はありました。
小道を登って行くと、共同湯の「小倉乃湯」のすぐ脇に叶屋旅館は建っていました。さあ、お邪魔してみましょう。
こちらの叶屋旅館は若いご夫婦で営まれている宿です。休業していた古い旅館を譲り受け、リフォームして素泊まりの宿として再開したとのことです。
食事はお隣に有る食事処「千楽」さんでいただくか、共同キッチンが有るので自炊が可能です。私は自炊が出来るという事なので途中のスーパーで食材を買い込んできました。
おとないを入れ、とても良く手入れされている館内へお邪魔します。ちなみに宿泊料金はチェックイン時に前金で支払いとなっています。
宿の中は古い建物を上手に生かして手直しをしてあるところが中々良いですね。今回は1階の「滝山」の部屋へ落ち着きました。
この部屋はこの建物の中で一番古い部分だそうで、ほかの部屋と接しておらず独立しているのでとても静かです。ちなみに1人の場合は平日限定で500円増しで利用できます。
又、こちらの叶屋さんはすべての客室に専用のトイレが割り当てられていて、宿泊中はマイトイレを使えるのです。滝山のトイレは浴室のすぐ前なので、まれにお風呂を出てすぐに使ってしまう人がいるので外から鍵をかけられるようになっていました。
さあ、落ち着いたらお風呂に入りましょう。こちらのお風呂は2つの浴室を貸切で利用します。チェックイン時にあいている時間を確認して予約を入れると、ボードに部屋名を書いてくれます。
温泉分析書を拝見するとこちらの宿には沓掛温泉混合泉が引湯されているそうです。沓掛温泉1、2号泉はアルカリ性単純温泉。3号泉はアルカリ性単純硫黄温泉。混合で供され、無色澄明で微かに硫化水素臭がします。
浴室は2つ。叶の湯は定員3名、沓掛の湯は定員2名の大きさで、沓掛温泉がかけ流してあります。お湯の温度は37℃ほどのいわゆる「不感温度」でいつまでも入っていられます。
ヒグラシの鳴き声に、遠くから雷鳴が聞こえてくる夏の夕暮れ時、仄かに硫化水素臭のする、ぬるいお湯に時間を忘れて浸かるのはこの上ない贅沢な時間ですね。
共同湯の「小倉の湯」にも入ってみたのですが、こちらの叶屋さんの浴槽の方が硫化水素臭が強いようです。共同湯の浴槽よりも、浴槽が小さい分お湯の循環が早いからではないでしょうか。
この辺りはそれほど標高は高くないのですが、それでも下界よりは大分涼しくて、夕方などは冷房が無くても過ごせます。そろそろ夕飯の支度をしましょうか。
共同のキッチンは一通りの調理道具はそろっていてますが、調味料はないので持参してください。又、お茶やコーヒーなどが自由に飲めるようになっているので快適です。
翌朝、小倉の湯脇の石段を登り「温泉薬師堂」へお参りします。
各地の温泉にはこのようなお堂が多数作られていて、私は見つけると必ずお参りするようにしています。古来は医療が発達していなかったので、温泉に入ることが病気を治すという事であったのですね。
あっという間に一泊の滞在は過ぎてしまいます。今回は1階の部屋で過ごしましたが、2階には共同で利用できるリビングがあり、ワークスペースとしても利用できます。
そうそう、こちらの宿はいたるところの書庫に漫画本などの蔵書が多数あり(なんと約5000冊!!)、なかなかのものです。
帰り際にご主人と、こちらの宿を開いた経緯や温泉の話などをしたりして、楽しい時間を過ごさせて頂きました。次回の訪問を約束して帰路につきましょう。
旅の記録
訪問日 : 2024年 8月
スタイル : 1泊2日 素泊まり 自炊
経費 : 5700円/人 消費税・入湯税込み 1人で訪問(滝山の部屋は平日のみ1名で利用可能)
泉質 : アルカリ性単純温泉・アルカリ性単純硫黄泉
湯使い : 源泉かけ流し。(冬季は加温されるようです)
特徴 : 沓掛温泉は仄かに硫化水素臭が香る、ぬるゆのかけ流しです。