四万温泉 積善館本館

積善館本館 宿泊記

2019年1月 訪問

四万温泉、「積善館本館に宿泊しました。

今回の旅は、高速バスでの移動です。普段は車での旅行が主なのですが、バス旅もおつな物ですね。東京駅から高速バス「四万温泉号に乗り、一路四万温泉まで出かけましょう。なんといってもお酒が飲めるというのが最高ですね。

途中、サービスエリアで休憩を取ったりしながら、四万温泉へ到着。
四万グランドホテル前へバスは到着しました。すぐ脇を四万川が流れ、河原の脇には共同浴場河原の湯があります。今回は立ち寄り湯せずに宿へ向かうので、次回のお楽しみです。

河原の湯。

四万温泉街は時間が止まったような佇まいで、とてもいい雰囲気です。

さあ、宿へ向かいましょう。

歩き始めてほどなくすると、左手に見覚えがある場所に出ました。

積善館本館に到着しました。
見覚えのある風景です。

赤い橋は、「慶雲橋、渡って右の建物が「元禄の湯。ジブリアニメ、千と千尋の神隠し油屋を彷彿とさせる佇まい。それもそのはず、宮崎駿監督はこちらの宿でアニメの構想を練ったとのことです。

玄関風景、お正月なので門松が風情があります。

さあ、今夜の宿「積善館本館に到着しました。

アニメの題材となった事も、長い歴史を刻む本館には歴史の一断片でしかありません。いつもと変わらずに宿泊客を迎えてくれます。

積善館は本館山荘佳松邸からなり、すべてが別の宿と思っていいです。それぞれの宿泊客のスタイルに合わせた利用の形ができる宿です。トンネルなどを通って、すべての施設を上手に利用可能です。

本館は、とにかく歴史がある宿です。元禄年間の築で登録有形文化財。手に触れる木材は飴色に光り、くすんだ漆喰とともに醸し出す雰囲気は、築浅い建物には到底出すことのできない重さを感じます。

玄関前より元禄の湯入り口を望む。

さておき、温泉好きは元禄の湯が気になるのですが、はやる気持ちを抑えて、チェックインを済ませ部屋へ向かいましょう。

宿泊棟内、程よくリフォームされています。

本館はとても古い建築物なのですが、宿泊棟は程よくリノベーションされており快適です。

やはり冬は炬燵ですよね

今回、泊る部屋は、湯治利用の部屋で、トイレ、洗面は共同です。勿論、当たり前ですが内風呂はありません。

部屋からは玄関前を望めます。

今回の宿泊は、湯治体験という事で、本館の古い木造の建物への宿泊体験という趣なのですが、長期滞在して本格的な湯治をする人向けに、壱番館という宿泊棟があります。
こちらは鉄筋コンクリート造で、温泉を利用した床暖房などが設備されていたりして、歴史を感じるだけではなく、本来の湯治目的の部屋なのです。流石に積善館本館は懐が深いのですね。

元禄の湯の前には飲泉所があります。

早速お風呂に入りましょう。本館に宿泊する目的はなんといっても「元禄の湯ですね。玄関を出てすぐ左手に立つ建物です。

元禄の湯は浴室に入ってすぐに脱衣のスペースがあり、そしてすぐに湯舟なのです。現在のように脱衣室と湯舟の間の仕切りなどは一切なく、とにかく着物を脱いですぐに温泉に入ることになります。

さあ、元禄の湯へ入りましょう。扉を開けるとすぐに脱衣所です。

こちらは昭和初期築だそうで、当時としてはとてもモダンな造りで、高い天井、アーチ形の窓、手前に大きな湯舟が一つ、奥にちいさい4つの湯舟と、斬新なレイアウトですね。なんとタイルでできたサウナ室もあります。

元禄の湯。(積善館公式サイトより引用しています)

さあ、かけ湯をたっぷりしてお風呂を頂きましょう。
5つある浴槽はみな同じ温泉が張ってあるそうですが、何故かビミョーに違うような気がするのは私だけでしょうか。

源泉の蛇口には見事な湧出物。(積善館公式サイトより引用しています)

温泉は、ナトリウム・カルシウム ー塩化物硫酸塩温泉という事で、僅かに塩味を感じ、他の温泉成分のえも言えぬ感じがとてもいいですね。くせのないお湯で、とてもゆっくり入ることが出来ます。

上段の間、昔の偉いお客さん用だそうです

宿泊当日の夕方に、本館で行われる御主人の館内ツアーへ参加しました。

歴史ある書状などが展示されています

このツアーには是非参加することをお勧めします。宿の歴史だけでなく、草津温泉と四万温泉との関係から、往時の庶民の温泉療法への思いが伝わってくるひと時でした。

往時の四万村の様子
手の凝ったガラス障子。現在では珍しいです。

お風呂に入ってゆっくりした後、お待ちかねの夕食の時間です。食事もやはり湯治を念頭に置かれている為でしょうか、お弁当スタイルで提供されます。

お弁当スタイルの食事

本館のでの食事に際しては、食事処への飲み物の持ち込みが自由なのです。又、お弁当なので部屋へ持ち帰っていただくことも可能です。その場合は、午後9時までに食事処へ器を返却する必要があるそうです。

夕食。広げるとこんな感じ。
本館は食事に飲み物持ち込み自由なのです。
朝食もお弁当スタイルです。

今回は歴史のある本館へ宿泊し、元禄時代に建てられたといわれる木造の建物を堪能しました。建物のあちらこちらに当時の職人の手の込んだ仕事が垣間見え、まるで博物館に泊っているような錯覚を覚えます。

職人の技。槍鉋仕上げ。
手の込んだ造作があちこちに。
明治時代の宿泊料金表。
明治時代と思われる頃の様子。

本館は歴史がある分、快適な滞在を約束するような宿ではありません。しかし、元禄の湯へは思い立ったらすぐ入れますし、温泉へ入ることを最優先される方には素晴らしい宿だと思います。

快適な滞在を希望なら、山荘、佳松邸への宿泊をされるとよいと思います。すべてのお客さんのニーズにこたえることが出来るのが積善館の良さではないかと思います。

元禄の湯の外観。

今回は一泊の湯治体験でしたが、次回はゆっくり数泊したいものですね。名残惜しいのですが、慶雲橋を渡り帰路につきましょう。

趣のある温泉街でした。又お邪魔します。

訪問日 : 2019年 1月

スタイル : 1泊2日 夕朝食2食付き

経費 : 8100円/人 消費税・入湯税込み 2人で訪問

泉質 : ナトリウム・カルシウム ー塩化物硫酸塩温泉

湯使い : 源泉かけ流し

関東甲信越

Posted by norari