法師温泉 長寿館
法師温泉 長寿館 宿泊記
2022年 5月 訪問
法師温泉、長寿館に宿泊しました。
普段、鄙びた宿が好きな私は、あまり長寿館の様なとても有名な宿には宿泊しないのですが、たまには良いのではないでしょうか。「日本秘湯を守る会」の宿です。
駐車場から砂利道を進むと、明治初期築の本館玄関が見えてきました。ここだけ時間の流れが止まっているように見えます。
登録有形文化財の本館建物はとても手入れがよく、ガラス窓などは曇り一つありません。本館内は古い物などの展示も程よくされており、さながらギャラリーの様です。
玄関左手の囲炉裏の部屋は、往時より焚き続けられた薪の煙で黒く光り輝いています。
渡り廊下で法師ノ沢を渡ると、これまた文化財登録された別館。玄関前の道路を渡れば新しい法隆殿となっています。
鄙びた宿が好きな私は、今回は本館の部屋への宿泊です。案内された部屋は法師ノ沢に面して別館と向かい合う部屋で、少し今風にリノベーションされており、古い造りのままでリフォームされていればとても良かったのですがちょっと残念。ちなみに手洗いはありますが、トイレは共同です。勿論、部屋に内風呂はありません。
部屋に落ち着いたら早速お風呂に入りましょう。皆さんご存じの「法師乃湯」に行きましょう。「混浴」です。
法師の湯は、温泉好きならば知らない人はいないと思います。源泉が湧出する場所を木枠で囲って湯船を作ってしまったという、信じられない様な温泉です。
木枠で区切られた湯船の底は玉石が敷き詰められ、時折泡がプクプクと立ち上り、お湯の温度は41℃前後と奇跡のようです。
成分分析表を拝見すると泉質は、カルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉(低張性アルカリ性温泉)とのことです。癖がなく程よい温度でいつまでも入っていたくなるお湯です。
法師乃湯は混浴ですが、午後8時~10時の間は女性専用の時間となります。そのほか、玉城乃湯と長寿乃湯は男性女性が交互に入れ替えで利用できます。
食事は夕朝ともに食事処でいただきます。地の食材を使い、特別豪華なお料理ではありませんが、還暦過ぎの私たちには十分です。
長寿館はとても良い宿なのですが、難点を挙げれば、あまりにも有名な宿なので、宿泊客数が多く、今回は本館を利用しましたが、隣室で夜更けまで話し続ける年配のグループ客がいて、宿の方が注意をしてようやく静かになりました。
木造の歴史のある宿ですので、観光地の巨大ホテルと同じ様に宿泊するお客にはがっかりです。
各地の秘湯会の温泉宿は、あまりに有名になりすぎて、日中は、日帰り温泉施設状態となってしまっています。
長寿館さんは、とても歴史のある木造の良い宿なので、本来ならばじっくりと味わいたいものなのです。宿泊客も宿と真剣に向き合って利用したいものですね。
旅の記録
訪問日 : 2022年 5月
スタイル : 1泊2日 夕朝2食付き
経費 : 18850円/人 消費税・入湯税込み 2人で訪問
泉質 : カルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉(低張性 アルカリ性 温泉)
湯使い : 足元湧出 源泉かけ流し(法師乃湯)