微温湯(ぬる湯)温泉 旅館二階堂

微温湯温泉 旅館二階堂 宿泊記

2023年 8月 宿泊

8月、福島市内は35℃以上の猛暑日なのですが、この辺りまで登ってくると30℃を下回りとても快適です。

その名も「微温湯街道の突き当りに、その宿はあります。

微温湯街道の突き当りに宿はあります。令和5年8月現在工事中の為、あづま総合運動公園脇からの回り道を通るのですが、対向車とのすれ違いを回避するために、待ち時間がかなりかかりました。

歴史を感じる佇まいの宿です。さあ、中へ入りましょうか。

山懐の谷地に有る温泉宿なので、奥に深いつくりになっています。一番奥の茅葺屋根の建物は存在感が有りますね。明治になり戊辰戦争の際に、以前からの古い建物は官軍に焼き払われてしまったそうで、現在の建物はすべて、明治以降の建築だそうです。雪深い場所になる為、冬季は閉鎖されるとの事。窓には雪囲いを納める金具が備えられ、建物は登録有形文化財となっています。

シンプルな湯治部屋へ落ち着きました。

今回はプチ湯治という事で、自炊2泊の予定でお邪魔しました。おとないを入れ、今回は自炊の為、女将さんに1階の湯治部屋へ案内してもらいました。ちょうど部屋の前が掃き出しになっていて、開けるとと外の景色が良く見える部屋です。まあ、その分虫がやってきますがそれも良しとしましょう。

部屋の前の窓を開けると外の景色が堪能できます。

夏のこの時期、虫が沢山来るのはそれだけ自然が豊かな証拠なのですね。トンボが沢山飛んでいて、中でもオニヤンマが見たことがないほど飛んでいました。又、アブも結構飛んできましたが、不思議と刺しに来ません。虫も穏やかな性格なのでしょうか。

湯屋へは廊下でつながっています。途中に自炊場が有ります。

落ち着いたら早速お風呂に入りましょう。湯屋と自炊場は宿泊棟とは反対側、谷の左側に位置して廊下でつながっています。

極上のぬる湯がたっぷりと注がれています。

湯舟は板張りで、源泉がかなりの量で投入され溢れています。温泉分析書を拝見すると泉質は、酸性含鉄(Ⅰ、Ⅱ)ーアルミニウムー硫酸塩温泉(低張性酸性低温泉)とのことです。旧泉質名では、含緑礬・酸性明礬泉とあります。
透明で、わずかに硫化水素臭が漂い、舐めると酸味、えぐみ、私は甘く感じました。面白いのは含鉄泉なのですが、よくある黄色や赤い色の鉄錆色ではなく、緑がかってとても透明度が高いのが不思議ですね。源泉の投入量が多く新鮮なお湯のせいなのでしょうか。

源泉が惜しみなく注がれています。

ぬる湯と言われるとおり源泉温度が32度程なのです。真夏には最高の温泉ですね。板張りの湯舟に浸かると結構深く、顎までお湯に浸かります。そうしてぬるいお湯にゆっくり浸かると最初は少し冷たい感じがしますがしばらくすると温かくなり、ちょっと出ると寒くなるので又お湯に浸かることの繰り返し。出られなくなってしまいます。夏場は、とてもそう快感が得られるのですが、冬場はそのまま出ると冷えてしまうので、脇に有る上がり湯で暖まらなくては駄目でしょう。ちなみに上がり湯は温泉ではなく普通の沸かし湯です。

自炊場です。

何もせず、ただひたすら温泉と向き合う時間。今回は自炊なので食事の時間も自分で好きな時に作っていただきます。

初日の夕食。

食事は自炊場で調理します。調理道具など一通りのものはそろっていますが、気になったのは菜箸が無かったことくらいでしょうか。又、調味料はありませんので持参しましょう。

私は自炊以外の宿泊でも、コンビニではなく地元のスーパーを利用します。自炊の場合は当然食材が豊富ですし、地元の食材や珍しいものを見つけるのが面白いですね。今回は、「ラヂウム玉子なるものを発見!。飯坂温泉で作られた温泉玉子なのですが名前が面白いですね。

ラジウム卵。なんか体にとってもいい感じがします。

福島県は酒所。なんといっても日本酒がおいしい。立ち寄ったスーパーにもたくさん地酒が並んでいました。今回は、国権奥の松をチョイス。

福島は酒所。国権、奥の松を頂きます。

時間が止まったような館内には、往時の物がそのまま残っていたりします。古い電話機もそのまま。ちょっと埃をかぶっていますが、ハンドルを回せば使えるような感じです。古い定書や古文書なども掲げてあります。

古い電話機。
江戸時代の定書でしょうか。
ふるい古文書が歴史を感じさせます。

猫も数匹いて黒猫はとても人懐こく、時々部屋へ回ってきては顔を出してくれました。

黒猫が毎晩訪問してきます。

ドコモの携帯電話は繋がりません。電話を気にしないでゆっくりするには最高の場所ですね。好きな時にぬるい温泉に長い時間ゆっくり浸かり、部屋でゴロゴロして、時々表に出て散歩。

シャクナゲが沢山。花の季節はとても奇麗でしょう。

庭には、シャクナゲの木が沢山あり、花の時期にはとてもきれいだと思います。季節を変えて又訪れたいですね。

訪問日 : 2023年 8月

スタイル : 2泊3日 素泊まり (自炊棟にて自炊)

経費 : 4100円/人 消費税・入湯税別 1人で訪問

泉質 : 酸性含鉄(Ⅰ、Ⅱ)ーアルミニウムー硫酸塩温泉(低張性酸性低温泉)

湯使い : 源泉かけ流し

東北

Posted by norari