硫酸塩泉

硫酸塩泉

源泉内に含まれる溶存物質が1,000mg/kg(ガス性のものを除く)以上あれば塩類泉となり、陰イオン中、【硫酸イオンが最も多い成分であれば【硫酸塩泉です。

旧泉質名の分類で分けると、陽イオン成分により以下にわかれます。
カルシウムー硫酸塩泉(石膏泉)、ナトリウムー硫酸塩泉(芒硝泉)、マグネシウムー硫酸塩泉(正苦味泉)となり、若干の性質の違いが有ります。

【カルシウムー硫酸塩泉】は「石膏泉/せっこうせん」と呼ばれ、浴用ではカルシウムの鎮静効果により、昔から「傷の湯」「脳卒中の湯/中風の湯」と言われていました。

高血圧症、動脈硬化症、脳卒中、慢性関節リウマチ。又、打身、切傷、火傷、痔疾、捻挫。皮膚病では乾癬(かんせん)、慢性湿疹、ニキビ、皮膚のかゆみなどにも良いとされています。
飲用では、下記の芒硝泉同様の効果が期待でき、じんましんにも良いそうです。

【ナトリウムー硫酸塩泉】は「芒硝泉/ぼうしょうせん」と呼ばれ、浴用では高血圧症、動脈硬化症、外傷に効果があります。浴後はナトリウム成分による保湿効果で体が温まり、痛みを和らげる鎮静作用も期待できます。飲用では、胆汁の分泌を促進し、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発化させて、胆道疾患、弛緩性便秘、糖尿病、肥満症、痛風に効果があります。

【マグネシウムー硫酸塩泉】は「正苦味泉/せいくみせん」と呼ばれ、浴用、飲用共に他の硫酸塩泉同様の効果があり、特に高血圧症の血圧を降下させ、脳卒中後の麻痺を改善、動脈硬化予防の効果が期待できます。マグネシウムの成分により、血圧を下げ、痛みを和らげる鎮痛作用があります。

硫酸塩泉はこんなお湯です

【脳卒中の湯】

高血圧症、動脈硬化症など、脳卒中後の療養に効果が有ります。

【傷の湯】

【若返りの湯】

肌の蘇生をうながす効果が期待できます。

【浴用の泉質別適応症】

きりきず、抹消循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症

【飲用の泉質別適応症】

胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘

【主な温泉地】

蔦温泉(青森県)、二岐温泉(福島県)、東山温泉(福島県)、四万温泉(群馬県)、伊香保温泉(群馬県)、山中温泉(石川県)、玉造温泉(島根県)、黒川温泉(熊本県)他。

(温泉ソムリエテキストを参考にしています。)

温泉うんちく

Posted by norari