【温泉豆知識】温泉の適応症と禁忌症を学ぼう

平成26年(2014年)に温泉の適応症と禁忌症が見直されました。

しかし温泉分析書は10年ごとの更新ですので、しばらくは新旧が掲げられている場合が多いですね。本来であれば令和6年(2024年)以降は新しい温泉分析書に入れ替わっているはずなのですが、なかなかそういかないのが実際の話でしょう。

見直し前は、経験による見地によるもので、見直し後は、科学的(医学的)見地によるものです。しかし、以前の適応症が全く間違いかとはいえず、どちらも効果が有るものと思って問題はないでしょう。

ここで注目!

温泉は薬ではないので、効果の事を効能と表記してはいけなくて、適応症と表記します。又、飲用の適応症が表示されていても、保健所の飲用許可が出ていない温泉がほとんどなのです。ですから、正式に飲用許可が出ていて、飲泉所が有る場合はぜひ飲用することを勧めます!。

今回は主に改定後の適応症を書いていきたいと思います。

【浴用の一般的適応症】は以下となります。

〇 筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)
〇 運動麻痺における筋肉のこわばり
〇 冷え性
〇 抹消循環障害
〇 胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)
〇 軽症高血圧
〇 耐糖能異常(糖尿病)
〇 軽い高コレステロール血症
〇 軽い喘息又は肺気腫
〇 痔の痛み
〇 自律神経不安定症
〇 ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)
〇 病後回復期、疲労回復、健康増進

【飲用の一般的適応症】はありません

【浴用の一般的禁忌症】は以下となります。

〇 病気の活動期(特に熱のある時)
〇 活動性の結核
〇 進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合
〇 少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気
〇 むくみのあるような重い腎臓の病気
〇 消火器出血
〇 目に見える出血があるとき
〇 慢性の病気の急性増悪期

【注目点】 改定前の禁忌症に有った妊娠中(特に初期と末期)が除外され、妊婦さんでも安心して温泉に入ることが出来るようになりました。

【飲用の一般的禁忌症】はありません。

【泉質別適応症】は以下となります。

〇 単純温泉(浴用) 自律神経不安定症、不眠症、うつ状態
〇 塩化物泉(浴用) きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症(飲用)萎縮性胃炎、便秘
〇 炭酸水素塩泉(浴用) きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症(飲用)胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常(糖尿病)、高尿酸血症(痛風)
〇 硫酸塩泉(浴用) きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症(飲用)胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘
〇 二酸化炭素泉(浴用) きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症(飲用)胃腸機能低下
〇 含鉄泉(飲用) 鉄欠乏性貧血
〇 硫黄泉(浴用) アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化脳症、(硫化水素型については、末梢循環障害を加える)(飲用) 耐糖能異常(糖尿病)、高コレステロール血症
〇 酸性泉(浴用)アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、耐糖能異常(糖尿病)、表皮化膿症
〇 放射能泉(浴用)高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、硬直性脊柱炎など
〇 含よう素泉(浴用)高コレステロール血症

【泉質別禁忌症】は以下となります。

〇 酸性泉 皮膚又は粘膜の過敏な人、高齢者
〇 硫黄泉 酸性泉に同じ

【含有成分別禁忌症】 ※平成26年に設けられました

〇 ナトリウムイオンを含む温泉を1日(1,200/A)×1,000mLを超えて飲用する場合(飲用)塩分制限の必要な病態(腎不全、心不全、肝硬変、虚血性心疾患、高血圧など)

〇 カリウムイオンを含む温泉を1日(900/A)×1,000mLを超えて飲用する場合(飲用)カリウム制限の必要な病態(腎不全、副腎皮質機能低下症)

〇 マグネシウムイオンを含む温泉を1日(300/A)×1,000mLを超えて飲用する場合(飲用)下痢、腎不全

〇 よう化物イオンを含む温泉を1日(0.1/A)×1,000mLを超えて飲用する場合(飲用)甲状亢進症

上記の内、二つ以上に該当する場合(飲用)該当するすべての禁忌症となりましたので、飲用の場合は上記の疾患がある方は要注意です。

(温泉ソムリエテキストを参照しています)