奥蓼科温泉 渋御殿湯
奥蓼科温泉 渋御殿湯 宿泊記
2024年 8月 訪問
今回は、長野県の奥蓼科温泉の「渋御殿湯」へ1泊で伺います。
今年も酷暑の8月です。「ぬるゆ」でリフレッシュしましょう!。
小雨の中、奥蓼科へ向かう「湯みち街道」を登ります。
途中のいたるところに、沢山の観音様が祀られていました。温泉に対する昔の方の気持ちが伝わる道ですね。
ひたすら一本道を登って行くと、途中から苔むした雰囲気になり、一段ときつい山道に入ると宿が見えてきました。「渋御殿湯」へ到着です。意外と大きな建物ですね。
さっそく、お邪魔しましょう。八ヶ岳、天狗岳登山口に有る宿なので山小屋の佇まいがなかなかいいですね。標高は1880mとかなり高いので、8月でも20℃ちょっと。とても過ごしやすい温度で快適です。
宿へ入るととても奇麗にされていて、ドライフラワーや、小動物のはく製が結構飾って有っていい雰囲気です。リスなどが木にとまっている様は、よく動物の生態を観察されていないと再現できません。
今回はフロント横の2階の部屋へ落ち着きました。すでに布団も用意されていて、最近はこのような形がとても楽でいいですね。早速お風呂へ向かいましょう。
温泉は宿泊客と立ち寄り入浴では浴室が異なります。お目あては宿泊客専用の浴室「東の湯」です。宿名由来の「渋御殿湯」と、足元湧出の「渋長寿湯」が堪能できます。立ち寄り湯の浴室は「西の湯」で、源泉から引湯した先に有るので泉質は落ちると思われます。しかし石鹸などは西の湯でなくては使えません。
東の湯の湯殿に入ると3つの湯舟が有ります。奥に有るのが古来より湧出する「渋御殿湯」です。源泉温度は26℃とちょっと冷たいのですが、これが天下の霊湯とよばれ、武田信玄なども愛浴したとのことです。中ほどに一段低くなっている湯舟が「渋長寿湯」。源泉温度は32℃弱。ちょっと温めの湯なのですがいつまでも入っていられます。
この渋長寿湯の湯舟は足元湧出の源泉なのです。うっすらと緑色がかっていて、ブクブクと物凄く泡立つお湯の中でぼーっとするのは極楽ですね。それから浴室に入って右側には渋御殿湯を加温した上り湯もあります。この3つの湯舟を、順繰りに回って入っていると出ることが出来なくなり困ってしまいます。
因みに、渋長寿湯の足元湧出は男湯のみで、隣の女湯は中で繋がっているのですが泡立ちはないそうです。残念ですね。
温泉分析書を拝見すると泉質は「単純酸性硫黄泉」となっています。詳しく掲示されていないのですが、分析表を拝見すると「硫化水素型」のようです。渋御殿湯の湯舟にはコップが有り、飲泉もできるようですが、保健所の飲泉許可書が無いようなのであくまで任意で飲みましょう。入浴の方法が掲示してありますので参考にするといいですね。
天下の霊泉にたっぷりつかり、まったりとしているとすぐに夕食の時間になりました。食堂でいただきます。山小屋なので豪華な食事ではありませんが、山の食材が並び、信州はやはり鯉の洗いですね。お酒は冷酒「氷湖の雫」を頂きました。
ゆっくりと過ごして翌朝、朝一番でお風呂へ向かいます。心なしかお湯の色の透明度が増しているようです。まだ誰も入っていない新鮮なお湯はいいですね。しかしすぐに他の宿泊客の方が入ってきて、これまた温泉の話で盛り上がって楽しい時間となりました。
朝風呂を出て、朝食もシンプルですが十分なご飯を頂きました。
渋御殿湯は結構大きな山小屋ですが、家族で切り盛りしている割にとても奇麗にされているのは素晴らしいです。
よく口コミであまり良い評価をされていない方がいるようですが、基本的に登山のベースとなる山小屋と認識し、とても良い温泉に下手に手を加えずに入れる素晴らしさを味わっていただきたいです。手厚いサービスを求める方は、他に良い宿が沢山ありますので興味本位で訪問することは控えた方が良いと思います。
前日の小雨交じりの天気とは打って変わって、翌朝はとても良い天気となり、渋御殿湯を後にして山を下りました。又お邪魔したいと思います。
旅の記録
訪問日 : 2024年 8月
スタイル : 1泊2日 夕朝2食付き
経費 : 12100円/人 消費税込み 入湯税別 1人で訪問
泉質 : 単純酸性硫黄泉
湯使い : 源泉かけ流し。渋長寿湯は足元湧出源泉かけ流し。
特徴 : 渋長寿湯は湯舟の底板の下より湧き出る、足元湧出源泉かけ流しです。