千原温泉 千原湯谷湯治場
千原湯谷湯治場 訪問記
2024年 1月 訪問
残雪の残る1月末に千原温泉、千原湯谷湯治場へ伺いました。
私も研究員をさせて頂いている、ひなびた温泉研究所の選んだ「日本百ひな泉」で見事1位に選ばれた温泉なのです。
看板に従い千原川に沿って山懐に車を進めます。看板がしっかりしているので迷う事はありません。
しばらく走ると川沿いの谷に沿って細長く建つ湯治場の建物が見えてきました。朝の澄んだ空気の中期待が膨らみます。
受付でおとないを入れ、入湯料500円を納めて女将さんから入り方の説明をうかがいました。
先ず、トイレは外だけなので必ず済ませてから湯治場に入ること。一度出ると再度入湯料が必要になるのです。又、上がり湯の五右衛門風呂は男女共同なので、必ず空いているのを確認する必要があります。
さあ、中へ入りましょう。玄関を上がると無料の休憩所があります。さらに進むと脱衣所です。
風情のある板戸を開けて階段を下ると半地下の浴室が迎えてくれました。
朝の時間なので独泉でした。川の音、炭酸ガスの湧き上がる「ポコポコ」という音を聞きながら静かにお湯に浸かります。
弱黄色のお湯は炭酸成分が多いらしいので味わうと、炭酸水に薄い塩味を付け出汁を足した様な複雑な味です。若干の金属臭がします。足元から湧き出る泉温は33℃ほど。
温泉分析書を拝見すると泉質は、ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩温泉(高張性中性低温泉)との事で、成分総量はなんと!!、11.04g/kg。
二酸化炭素泉と定義されませんがとても多く、遊離二酸化炭素は642mgも含まれているのです。
ブラボー!素晴らしい!。
ポコポコと涌き立ち背中をくすぐる炭酸ガスがこれほど多い温泉は初めてです。足元の木のすのこの隙間から絶え間なく沢山湧いているのです。まるで煮えたぎった鍋に入っているような感じ。
心静かに源泉温度33℃ほどの湯舟を一人で独泉する事1時間弱。気が付くと体が真っ赤になっていました。泉温は低いのですが炭酸成分が多く、高張性なので温泉成分の吸収が良いらしいのです。最後に薪で焚かれた五右衛門風呂の上り湯に入って仕上げます。五右衛門風呂の後には再度源泉に入ってはいけません。そのまま出る決まりだそうです。
ちなみにトイレなどで一度出ると再度入湯料が必要になりますが、2階の有料部屋休憩(5時間以内1200円。追加料金で延長可能。)を利用すると何回でも入ることが出来ます。ゆっくりと湯治なさる方は利用するとよいでしょう。又、湯治施設から上流へしばらく登ると、持ち帰り源泉が1リッター100円で汲める場所が有るそうです。
素晴らしい温泉にゆっくり浸かった風呂上りには、又帳場へ立ちよって、ご主人、女将さんとしばし温泉の話をさせて頂き、再訪を約束して帰路につきました。
旅の記録
訪問日 : 2024年 1月
スタイル : 立ち寄り湯
経費 : 500円/人
泉質 : ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩温泉(高張性 中性 低温泉)
湯使い : 足元湧出 源泉かけ流し (上がり湯は五右衛門風呂、薪で加温)