極上の足元湧出自噴泉をめぐる

私は特別にこだわって、宗教信者のように温泉に出かけているわけではないのですが、「足元湧出自噴温泉」は大好きな温泉です。温泉好きには究極の温泉でしょうかね。やはり良いお湯を求めると行き着いてしまうのです。

ぬるゆ巡りと重なる温泉が有りますが、それだけ良いお湯だという事ではないでしょうか。それから共同湯は混浴が多いです。私が廻った温泉をご紹介します。

栃木県の塩原温泉の奥深くにある、新湯温泉「むじなの湯は、私の温泉徘徊のきっかけになった思い出多い温泉です。

かなり前からスキーなどで前を通ると温泉の硫化水素臭がする所だとわかっていたのですが、ある時、時間が有ったので軽い気持ちで立ち寄ったが最後、湯舟の底から湧き出る源泉の何とも言えないアブラのニオイにヤラレてしまい、それ以降の温泉徘徊のスタート地点となった記念すべき温泉です。

泉質は、 酸性含硫黄ーカルシウム・アルミニウムー硫酸塩温泉(硫化水素型)(酸性 低張性 高温泉)足元湧出源泉かけ流しです。

むじなの湯は雨の降らない時期などの地下水量にとても敏感で、出かけて行ってもお湯が湧出していなくて、休業の時が多いので注意です

福島県は奥会津地方に有る木賊(とくさ)温泉「共同浴場 岩風呂。温泉好きの間ではよく知られていると思います。「混浴です。ちなみに女性は湯浴み着の着用も可能で、近くの旅館井筒屋さんでレンタルしてくれます。

台風による増水で度々流されてしまっても、地元の方の努力で再建されるとても素晴らしい温泉なのです。訪れた時は春先の雪解け水で、これもまた建物すれすれまで増水していました。そのような所にも良いお湯が湧出していればこうやって湯小屋を建て、ジモ泉ではなく一般の入浴客も受け入れる地元の方の好意は素晴らしいですね。有難く入浴いたしましょう。

泉質は、単純温泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉)足元湧出源泉かけ流しです。

福島県南部、八溝地方に有る湯岐温泉。普通、自噴温泉などは川沿いに湧出しているのが多いのですが、こちらの湯岐温泉はちょっと山を登ったところに沸き出ている、なかなか珍しい温泉です。現在は宿が2軒有るのみで、こちらの湯岐温泉 岩風呂は、山形屋旅館さんが管理しています。源泉温度は39℃ほどでいつまでも長湯が出来ます。「混浴です。

こちらの岩風呂は混浴なのですが、女性は湯浴み着の着用が可能です山形屋旅館さんで借りることもでき、女性専用の時間帯もあります。ちなみに、こちらの岩風呂はその昔、この地方のお殿様の専用の湯殿だったそうです。木枠を取り付けた後が湯舟の中の岩に穿って有ります。

泉質は、アルカリ性単純温泉(低張性ーアルカリ性ー温泉)足元湧出源泉かけ流しです。

福島県は奥会津地方。木賊温泉と山を隔ててあるのが「湯の花温泉」です。いくつかある共同湯を一回の入浴券ですべて回ることが出来ます。

他の共同湯は民家の近くに有るのですが、共同浴場 石湯だけは川沿いに有り、台風時に流されては地元の方の熱意で再建されている温泉なのです。木賊温泉と違うのは「激熱」なことですね。大きな岩の下から源泉が湧き出ていて、それを抱えるように湯小屋が建てられています。「混浴です。

泉質は、単純温泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉)。足元から湧出しているかは不明ですが、ほぼ足元湧出源泉かけ流しです。

島根県の山懐に有る、千原温泉「千原湯谷湯治場は、私も研究員をさせて頂いている、「ひなびた温泉研究所の選んだ「日本百ひな泉」で見事1位に選ばれた温泉です。

ぬるゆ巡りと重なってしまいましたが、とにかく独特な温泉です。湯舟の底の木のすのこの間から湧出する源泉と、ポコポコと沸き立つ炭酸ガスに背中をくすぐられてはいる温泉はたまりませんね。源泉温度は33℃ほどなのですが、何故か冷たく感じないのです。訪れた時は外に雪が残る時期でしたが1時間ほど入っていられました。最後は今では珍しい薪で沸かした五右衛門風呂の上がり湯をいただいて上がります。

泉質は、ナトリウムー塩化物炭酸水素塩温泉(高張性中性低温泉)足元湧出源泉かけ流しです。

五右衛門風呂で上がり湯をいただきます。

長野県の奥蓼科温泉「渋御殿湯。訪問したのは酷暑の8月だったのでぬるゆはごちそうでした。八ヶ岳、天狗岳登山口に有る宿なので山小屋の佇まいがなかなかいいですね。標高は1880mとかなり高いので、真夏でも20℃ちょっと。とても過ごしやすい温度で快適です。

湯殿は宿泊客と立ち寄り入浴では浴室が異なります。お目あては宿泊客専用の浴室、東の湯です。宿名由来の渋御殿湯と、足元湧出の渋長寿湯が堪能できます。立ち寄り湯の浴室は西の湯のみで、源泉から引湯した先に有るので泉質は落ちると思われます。しかし石鹸などは西の湯でなくては使えません。

東の湯は3つの湯舟が有ります。奥に有るのが古来より湧出する渋御殿湯です。源泉温度は26℃とちょっと冷たいのですが、これが天下の霊湯とよばれ、武田信玄なども愛浴したとのことです。中ほどに一段低くなっている湯舟が渋長寿湯。源泉温度は32℃弱。ちょっと温めの湯なのですがいつまでも入っていられます。この渋長寿湯の湯舟が足元湧出の源泉なのです。うっすらと緑色がかっていて、ブクブクと物凄く泡立つお湯の中でぼーっとするのは極楽ですね。それから浴室に入って右側には渋御殿湯を加温した上り湯もあります。

温泉分析書を拝見すると泉質は「単純酸性硫黄泉となっています。詳しく掲示されていないのですが、分析表を拝見すると「硫化水素型」のようです。

渋長寿湯。足元からプクプクと湧出する温泉です。

この3つの湯舟を、順繰りに回って入っていると出ることが出来なくなり困ってしまいます。因みに、渋長寿湯の足元湧出は男湯のみで、隣の女湯は中で繋がっているのですが泡立ちはないそうです。残念ですね。

群馬県みなかみ町、奥の奥にある秘湯。法師温泉「長寿館。長寿館はとても歴史があり建物などはとてもいい感じですね。こちらの長寿館さんのような鄙びた宿が大好きな私なのですが、とっても有名な宿なので宿泊客が多いのが難点です。明治初期築の本館などはここだけ時間の流れが止まっているように見えます。

登録有形文化財の本館建物はとても手入れがよく、ガラス窓などは曇り一つありません。本館内は古い物などの展示も程よくされており、さながらギャラリーの様です。

早速お風呂に入りましょう。皆さんご存じの「法師乃湯」「混浴」です。法師の湯は温泉好きならば知らない人はいないと思います。

源泉が湧出する場所を木枠で囲って湯船を作ってしまったという、信じられない様な温泉です。木枠で区切られた湯船の底は玉石が敷き詰められ、時折泡がプクプクと立ち上り、お湯の温度は41℃前後と奇跡のようです。

夜更けの法師の湯。とても神秘的です。

成分分析表を拝見すると泉質は、カルシウム・ナトリウムー硫酸塩温泉(低張性アルカリ性温泉)とのことです。癖がなく程よい温度でいつまでも入っていたくなるお湯です。

年配の方は、国鉄のこのコマーシャルはなつかしい思い出でしょうね

山梨県の下部温泉「古湯坊源泉館湯治棟の別館、神泉へ今回は宿泊です。到着するとそのまま部屋へ案内していただき、部屋で宿帳を記入してお風呂の説明を聞いておしまい。後は温泉三昧です。

温泉に関する古文書・免許状などの展示が。

下部温泉は武田信玄の隠し湯と呼ばれる温泉です。中でも源泉館さんの大岩風呂は足元湧出の低温泉で混浴。こちらの別館神泉の地下に大岩風呂はあり、入り方にもちょっとした儀式が必要です。先ず、「混浴なので男女とも湯浴み着が必要です。私はバスタオル状のものを200円でレンタルしました。ご常連は皆さん マイ湯浴み着を持参です。お湯に入る前にはかけ湯だけではなく全身を石鹸で良く洗い流します。これは毎回の入浴の度に行う儀式です。体を良く洗い、さっぱりしてから早速お湯に入りましょう。温泉分析書を拝見すると泉質は、単純温泉(低張性 弱アルカリ性 低温泉)とのことです。

階段を下りて、約30℃の源泉がなみなみと張られたお湯へそっと入ります。最初はヒヤッと感じますが、しばらくするとじわっと温かく感じるようになってきます。壁に掲示されている入浴法の説明を読むと、低温の岩風呂に20分、洗い場脇の上り湯で3分ほど体を温めて再び岩風呂へ。これを数回繰り返すこと1時間ほどが1回の入浴となるようです。ご常連では数時間以上入っている方もいるようです。

大岩風呂 【この写真は源泉館のサイトより引用させて頂きました

源泉館は、日帰り立ち寄り湯は行っていないので、湯治で訪れる方は自分たちの時間でゆっくり体を休めているようです。事実、けがの回復の為に滞在されているような方が見受けられました。

福島県、阿武隈川の源流部にほど近い山奥にある甲子温泉「旅館大黒屋大岩風呂で有名な宿です。現在は国道の甲子大橋の袂から下るとすぐに大黒屋さんへ着きますが、以前はアクセスが大変だったと思われる場所です。白河藩主、松平定信公も愛した素晴らしい温泉なのです。

とても立派な本館建物を抜け、長い階段を下り湯屋へ向かいます。阿武隈川を渡り大岩風呂へ。

こちらの大岩風呂は「混浴」ですが、午前5時~7時、午後7時~9時の間は女性専用時間となっています。立ち寄り湯は10:00から15:00なので、基本、立ち寄り入浴の時間は混浴となります。混浴が苦手な女性には岩風呂右に女性専用の櫻の湯があります。

大岩風呂【この写真は大黒屋のサイトより引用させて頂きました】

成分分析書を拝見すると泉質は、単純温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)とのことです。鳥居のある場所から44~45度の源泉が流れ込み、湯舟の底からは31~34度の低い温度の源泉が湧き出して、それがまたちょうど良い塩梅に交じり、自分の好きな場所でゆっくりできます。湯舟の周りは階段状になっていて、座るとちょうど肩程度の深さとなるよう出来ていますが、中の深いところでは1.2m程とちょっと深いです。又、湯舟の中にある「子宝石とよばれる大きな石をなでると、子宝に恵まれると言伝えられているそうです。

天然ラジウム温泉(放射能泉)で有名な、山梨県の増冨温泉「不老閣。こちらの源泉は国内で最高単位の放射線量を記録したとのことです。

チェックインの際に入浴方法の説明があります。こちらの温泉はとても強い放射能泉で泉温も低い為、上がり湯との交互浴となる為、入浴方法が重要なのです。岩風呂の入り方などのお話を伺いました。

今回の岩風呂入浴は、宿泊翌朝7時からの入浴開始時間に合わせてフロントで鍵を借りて裏山に有る天然岩風呂に向かいます。男女別の時間制ですが、16:30~17:00の間は「混浴となります。ご常連の方と一緒です。お話ではラジウム泉は強いので、宿が初心者一人では入らせてくれないそうなのです。結構山の奥に有るので、具合が悪くなった場合は大変だということで、又、実際に健康状態が悪くなる方もいるそうです。

天然岩風呂。神秘の湯です。

湯小屋の中は入って右奥に天然岩風呂、左が上がり湯。先ずは上がり湯で体を温めてから岩風呂へ入ります。天然岩風呂は大きな岩の下に掘られた窪みに源泉がプクプクと湧き出ていて、男性では4人も入ったらいっぱいです。奇跡の様な湯舟ですね。

上がり湯の湯舟と、奥には源泉地が見えます。

源泉のラジウム成分によるホルミシス効果と、プクプクと湧き出てくる炭酸成分が多いので、気泡に包まれながら超新鮮な源泉を堪能します。ちなみに、泉温が20度程なので長湯をすると冷えるので上がり湯で体を温めましょう。その際に、すぐ脇に有るアトム湯をかけ湯するそうです。

不老閣さんは湧き出るラジウム温泉を訪れる方々に十分堪能していただくため、いろいろ努力されているのをとても感じることが出来ました。湯治場の存在を超えて一種の療養所の様です。

箱根姥子温泉 秀明館。以前は宿泊客も受け入れていましたが、現在は日帰り湯治施設として営業しています。古来よりの浴伝効能では眼病に良いとされ、あの時田金時、金太郎の目を直したお湯として知られています。

あまり目立たない入り口です。

ほんの目と鼻の先、大涌谷では白く白濁した硫黄分を含む温泉なのですが、この姥子温泉はとても透明度が高く、明礬成分が多いためでしょうか、青くブルーに透き通り輝いて見えます。温泉は自然の不思議を表しているものなのですね。こちらの源泉は雨などの影響を強く受けるので自然湧出するのが年に数回しかなく、普段は揚湯した温泉を使用しているようです。

【この写真は秀明館のサイトより引用させて頂きました】

幸運にも、数日前にホームページで「お湯が出ました」のお知らせを見て伺いました。しめ縄が張られた岩場より源泉が湧き出し、手前の湯舟へ流れ込むように作られています。昼でも薄暗い湯屋の中で、しめ縄が張られた岩を見つめながらの湯浴みは何とも言ぬ気持ちが良いものですね。

箱根神社の社。ありがたく拝ませていただきました。

泉質は温泉分析書を拝見すると、単純温泉(弱酸性 低張性 高温泉)」とのことです。とても神秘的でありたたくお湯に入らせていただきました。

どうですか?あなたも極上の足元湧出温泉に入りたくなって来ましたね?。

足元湧出温泉はけっこう共同湯が多くて、又、混浴が多いです。さあ、混浴デビューもかねて皆さんも極上のお湯を堪能しに出かけませんか。皆様の温泉巡りの参考になれば幸いです。